井上 ファミリー

広島の個展を終えて、Mikiちゃんにお手伝いいただきながらオーダー作品の制作中破水、気圧の低い台風の日でした..。車で運転していこうと思ったら「救急車で来てください」と、「入院準備もしてきてください」と、「いや~、それはないでしょ~」と思っていたところに夫が帰宅、運転してもらって病院に。車椅子に乗せられて、ストレッチャーに乗せられて….一ミリたりとも動かないようにと厳重に言い渡されてからは祈る日々。ICU病室にて先生の許可を得て撮った妊婦写真!7週間早く出てきた娘たち、NFICUの保育器に直行。ようやく私の病室に来てくれて初めて撮ったツーショットは、私と長女の手の写真は今でも我が家に飾ってある。子供達が小さい頃は、一つ一つが悩みになって….この写真を見ては涙して、あの「何があっても守るから」と祈り続けた日々を思い出し、初心に振り戻る。こんな小さな手が、こんなに大きくなったことが奇跡と、有り難く思った日々は今となってはいい想い出。

このwebを作成するにあたって、30年撮りためた写真たちを掘り返しながら、この出産が、私の写真家としての第二のスタートだったと確信しました。はるきさんのおかげでようやく形にしていただいたこのWebsite、写真を残して欲しい、飾って欲しい、自分を好きになって欲しい、なりたい自分を描いて欲しい、家族をより愛おしく思って欲しい、大切な友人たちとの時間切り撮って欲しい….たくさんの想いが、溢れてきています。私の新たなスタートの娘たち誕生、そして、次のスタートの今。全ての方に感謝して、これからも目の前のクライアントさんの笑顔のために、愛を込めてシャッターを押し続けたいと思います。

ちなみに、この出産前日にまたまた破水、翌日の帝王切開が決まった私。分娩室で一睡もできず一晩を明かしましたが、夫は分娩台の上で大いびき、私はストレッチャーの上で身動きもできずただただ祈るばかりでした~。そして、手術に立ち会いたかった母、医者として初帝王切開を見たかったそうで、立ち会いは家族一人という原則の下、ドアが開くたびにひょこひょこと中を覗いていたそうです。そんな一つ一つもいい想い出。しゃしんを見ると全ての音や匂いや張り詰めた手術室での緊張感….すべてが甦ります。出産~育児色々ありまっせ….これから母になる皆さんともそんなこんな色々を分かち合えたら嬉しいなと思っています。